家に帰る日

認知症になって、歩けんようになって、家では暮らせんようになって。
老健でリハビリして、そんなに大した成果も出ないまま‥やっぱり家に帰ってきてもらう勇気は出ない。
家族は、サービス付き高齢者住宅の入居を決めた。サービス付き高齢者住宅は「サ高住」と呼ぶのだけど大体部屋で自由に自分のことできる人がいるとこよ。とうちゃんは寂しかったと思う。一人ぼっちになった気がしたと思う。自分の部屋にいなさいと言われたってすることないし、できることもしたいことも思いつかんかったんやて。そして、部屋のご近所さんの部屋に勝手に入った。勝手に入って、その部屋のご婦人の方をちょっと触っちゃった…。即日、退去命令が出た。あーーーーーーー!そういうことだよ。

で、大急ぎで施設探してるっていう電話もらったから、本当に困ってるのがひしひしと伝わったから「三週間くらいならいいよ」って言っちゃった。そしたら とうちゃん、次の日すぐ来た。すぐ!そこから今日で三週間。今日から家に帰ってデイサービスに通ってみることになった。とうちゃんは寂しいだけ。家に帰ったら何かが変わるかもしれないし、父ちゃん自身が生きることを楽しむはずだと思った。施設を経験した人が家に帰るのは大変。何もかも自分でやらなくても手伝ってくれるし、偉そうにいう人もいない、大事にされることに慣れる。家に帰ると家族に負担がかかるだけじゃなく、自分も思い通りにならんストレスを感じる。なのになんで帰すん?って思うやんね。家にはあるんよ、魔法がね。家族の時間には施設にはないまったりした時間が流れるしね。でも、

覚えていてね、しんどくなりそうなら私たちがいる。そのために私たちはいる。いつだってどんなことだって味方でいて助けるためにいるから!そして今日、さっき娘さんと奥様が来られてデイサービスの契約を済ませた。明日からは、デイに通う「とうちゃん」だ。「よかったね、やっとお家に帰れるね。」とみんなで万歳三唱したらとうちゃんは泣いた。ぼろぼろと男泣き。帰りたかったんやね。我慢してたんやね。

男泣き
嬉しすぎ泣き、奥様に
涙吹いてもらう💛

さぁ、今日からプチ大変な夜が始まるのか、穏やかに 心配するほどじゃないって安堵するのか!これだけは神様にもわからないんだよ。とうちゃん‼‼‼奥様を思いやってね。頼んだよ!‥…つづく‥‥。

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