誕生日。

人にはもって生まれた器があって綺麗な器も汚くてちいちゃい器もあるでしょう。それがその人の持って生まれた「分」というもの。その器の中に何をどれだけ入れて最後に満足するか、よかった、私には幸せがいっぱい入ってる、いい思い出がいっぱいあるって思いながら最期を迎えられたらきっと人はいい人生を過ごしたことを喜べる・・ってなことを今年85歳になるわが母がLINEで夜中に送ってくれました。
最後に、「私にはまだやりたい事があるから私の器にはまだ若干の余裕があるのです」と書いてあり、「今年も元気で活躍してください。一等席に居る 貴女のファンです」で、泣きました。

母は、三致子といいます。創作人形師で、84歳の今もゆらゆら創っています。
どこへでも行きます。何でも一人でします。コロナがなかったら今もヨーロッパに飛んでいたことでしょう。言いたい事は言っているように見えて実は我慢の人で、気が強そうに見えて実は何も思うようにならなかった人生で。ようやく今好きに生きている。
美しい人です。

この人が生きているうちは、精一杯おしゃれに素敵に夢叶え途上の娘でいなければならない。それが恩返しだから。

今年もお互いの誕生日は共に過ごす。
共に祝う。

10年前母と二人でローマに。ホテルのコンシェルジュが素敵な香りで通り過ぎ・・追いかけてそれは何の香水??って聞き次の日から二人でローマの街を探し回るという珍旅行。
シャネルのチャンスという香水です。
それからずっと母は私の誕生日に「チャンス」をくれる。
毎年「チャンス」をいただき、ピンチもチャンスに変えられてきた。

誕生日の度、25年ぶりにローマの街に降ったという雪の事を思い出す。
夜中に食べたルームサービスのお豆のスープを超えるスープにはまだ出会ってないよね。

母へ
今年も元気に活躍します。
一等席で見ていてください。
コロナが収束したら迎えに行きます。
約束の「マルタ島」に行きましょう。

貴女の器の若干の余裕は、まだまだ埋めずに居てください。

ではまた。