愛らしく上品で 父上を尊敬し娘たちを心から愛しているご婦人と、手を繋いでいる。

彼女は木曜に右足の骨折が判明した。何をしたわけじゃない‥骨粗鬆症の進行もあり、人工の骨を入れていることもあり、ちょっとの衝撃でも折れる場所‥と医師に告げられる。
彼女はホテルのようなきれいな病院のインフォメーションで震えていた。認知症ではあるが人見知りだし、怖い感覚はいっぱいある。嬉しい感覚も悲しいも怒りも、ね。私の手を両手で握って「一緒にいてね」と言っているようだった。

歳を取ってからの骨折は人生を変える。大きく変える。今まで普通にできていたことが手の届かない過去になる。でもくしゃみしたって折れる時はあって、その度に気が遠くなるほど日々を思い返し私たち介護士は後悔する。あの時‥この時‥どうすればよかったんだろうって。

彼女と私はドキドキしながら待合いでオレンジジュースを一気飲みして笑い合った。ドクターは良き良きおじさんですぐに娘さんに電話で報告してくださって行く道が決まった。手術せず今までどうり穏やかにマイルドに暮らすって。なんだかホッとしている私は彼女の手を強く握ってよかったよかった‥と繰り返したらドクターが「良い選択だと思うよ」と後押ししてくれた。

今日、娘さんご夫婦が来られて今後のことなど話し合った。彼女は娘さんのご主人の手を握り満面の笑顔で話し続けた。この笑顔を忘れてはいけない。この笑顔を守らなければいけない。背筋が伸びた。

骨折した原因が何だろうが その日から人生が変わることに違いはなくて その変わっていく未来と腰を据えて向き合っていく覚悟を持たないと私たちはプロじゃない。彼女が彼女らしく笑顔を振りまいて生きていけるように、「スキーならわたくしも行きます。大好きなんです。ご一緒にどうですか?!」って笑って誘ってくださった彼女を過去の面影にしないように、なんならこれからの方が楽しいかも‼!くらいの気持ちで一緒に生きたいと思う。

あなたがずっと笑っていられるように…‥私たちがいます。約束します。

ちょっとファンキーな眼鏡のおしゃれな彼女にしてみました♡かわいい素敵な方なんですよ♪♬

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