精力
「いくつになっても…。」といういいかたをよくするでしょ?いくつになっても食べ方が汚い、いくつになっても金遣いが荒い、いくつになっても落ち着かない、いくつになっても…は、いい表現じゃない。歳を重ねてもできないことをいじる言葉だ。
ここに、一人の90歳を過ぎた婆様がいる。
誰とでも仲良くなれる。誰とでも笑って話せる。笑顔も素敵。誰にでも合わせられて気も使える。「手伝おうか?」とか言ってくれる。優しみもある。ところが、仲良い人ができると、コソコソ内緒の悪口を言う。あの人の顔がどうだとか 歯がないとか 眼つきが悪いとか 声が大きいとか 下品だとか 見たままあらゆることをヒソヒソ話にする。それはそれは怖い顔をして、額に皴を寄せて、でも忘れちゃうんで 毎日毎日同じ悪口は繰り返される。言われている方も聞いている方も同じく忘れちゃうんだけど 不思議と嫌な気持ちだけは残っていくようだ。職場でも学校でも嫌いなターゲットがいると集団がまとまる。嫌いな上司の話にはみんな声高らかになりビールがうまい!面倒な先生がいると生徒は一丸となりどうやってやっつけようか企てる。「いくつになっても」悪口はなくならない。
さて、どうしようか‥‥。女同士って「いくつになっても」めんどくさいよぉ~笑 グループホームだってデイサービスだって みんなでワイワイの時間ばっかりじゃつかれちゃう。ボーっとする時間も大事。その時間が悪口に使われてんのは悲しみやけどそれもあっていい。いい事ばっかりじゃないとこ、生活感ある。残念なことは、コソコソヒソヒソのはずが‥みんな耳遠いからさ声おっきくてさ 全然コソコソヒソヒソになってないしな。後ろから「そうやんな、そういうとこあるよな、あの人。嫌な感じするよな。」とか言ってみる‥途端に悪口ヒソヒソ会はお開きだ。何ッてったってヒソヒソがいいのに大きな声で話に入って来られたらもう‥全然意味ないからコソコソ会の意味よ‼!笑
それでも、悪口100個並べても 当の本人が同じテーブルに座ったら「寒くない?大丈夫?」とか「「テレビ見る?」とか様子伺って笑いかけちゃう手腕はさすがだ。そしてそして、またまた違う誰かの「あの人見て!何やってんだろうね‥」なんて言い始める。無限ループ‥‥‼‼‼
ばあちゃんたちの精力は、毎日の数々の悪口の上に成り立っているともいえる。だから、どんどんいっぱい言ってください!ってことかな。人のことが気になって悪口言える間は 絶対元気だから、間違いない‼‼

うららかな春の日がやって来ましたね。春でしょ!