誕生日に向かう‥。
お誕生日が近くなると、お部屋の担当をしている職員を中心に何が食べたいかどこに行きたいか、いろいろリサーチが始まる。コロナの前はね、お墓参りに行きたいとか、ストリップを見たいとか、家に帰りたいとかいろいろご要望があってできるだけお誕生日プレゼントとして夢を叶えてきた。けど…コロナからこっちそんなことはできない世界になっちゃって。
せめて、何食べたい?って聞いて望みを叶える。2週間後、浜ちゃんの誕生日だ。「お誕生日だね。なんか食べたいものある?」「はい、赤福餅食べたいです」…次の日「はい、お赤飯食べたいです。」次は「はい、瓦せんべい食べたいです。」で、「はい、カステラ食べたいです。」「はい、チョコレートのケーキ食べたいです。」同じものさえ出てこない。毎日食べたいものは変わっていく。
このままじゃどんどん増えて、最初に何を言ったかは まず覚えてない感じになっている。…とお部屋担当の野上が「聞いたもの全部ちょっとずつ作ります!」と言って。お赤飯を焚いて、チョコケーキを作って、カステラは買って来て、ね。全部叶えた。「わぁー!!」って手をたたいた浜ちゃんは少女のようだった。コロナでも楽しいことは作れる。幸せはある。・・と思った瞬間だった。
お誕生日は特別な日。どんな願いも叶えよう‼‼‼‼赤福餅はちょっと待って、ね!笑