渋柿って

毎年この時期になると、大家さんの爺様93歳が木に登って柿を取り「柿 取って置いとるぞー。いつ来るんや。」と大きな声で電話をくれる。なんせ耳が遠いので私の返事なんか聞かずに電話は切れる。すっ飛んで取りに行かねば‼!また電話がかかってくるし!

‥‥っともらってきた柿がこれ。皆にあげるために木に登ってる。息子も嫁もやめろとは言わない。畑のことできなくなったら本人が一番辛いことを知ってる。知ってるから、案じてるけど見守ってる。私たちも喜んでなんでももらう。すぐ取りに行く。美味しかったからともう一回もらいに行ったりする。それが爺様への敬意なんだ。「おいしい」「ありがとう」「うれしい」だけが爺様を動かしてる。

そして、みんなで剥いて吊るす。

おいしそうでしょ。そしてそして、吊るす茎が残ってない柿はね。こうするんだってさ。一つ目は 熱湯をくぐらせて一週間放置。あんぽ柿になるんだって。

二つ目は リンゴと一緒に鍋の中。一週間から10日放置。甘ーい甘ーい柿になるんだってさ。

めいの厨房の母様方はみんな知恵袋で、いろんなことを教えてくれる。この歳までのほのほほ~ンと生きてきてなんも知らん私はこういう話を聞くたびに、未来に繋がなあかんって、私みたいななんも知らん婆ばっかになってみ、古き良き日本の知恵は廃れてしまうわ。…って強く思う。私の母や、厨房の母たちといっぱい話していろんなこと教えてもらいたいと思ってる。亀の甲より年の劫‼!年寄りの知恵袋は本当にすごいんだぞ!!お近くにお越しの際はぜひお寄りください。あと五日ほどで甘い吊るし柿の食べごろですよ。おひとついかがですか?

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