パンク❣デイ

めいの家デイサービスに初めての大きな大きな危機が訪れた。
今までいろんな手法で営業をかけ、チラシを作り、足しげく通い頭を下げ、時にはグループホームの職員や便利屋さんまで動員し利用者獲得に動いた過去がある。
でもなかなかなかなか利用者さんが増えない時期10年以上。
かなり厳しい、水商売みたいだなぁって思ってた。

めいの家デイサービスは、登録者さんが毎日10人、登録3人や4人は ざらだった。大きなフロアにポツッと利用者さんがいることも、職員の方が多いこともよくあった。朝電話があって「体調悪いから休む」「ショートステイに行くから休む」なんてことは毎日あって体調悪いのに来てくれとも言えず、お出かけするのにデイに来るって言ったじゃないのと怒ることもできず、あれ?今日の利用者さん3人?あらららら‥‥ってな15年を過ごしてきた。デイサービスという事業は本当に難しい。何度辞めようと思ったか覚えてもいない。デイの利用が足りてなくて赤字になってる月も数えきれない。それでも続けてきた。必要とされる「何か」を探し続けている。そんな中、あるデイサービスが閉鎖した。閉鎖を知りケアマネジャーさんからデイ利用のご依頼が舞い込んだ。次の月、またとあるデイサービスが閉鎖、また次の月も…。一気に利用が増え 一気に満員御礼となった。パンク!寸前の日を迎えた。今まで「すみません、ご指定の曜日はいっぱいでご利用いただくことができません。すみません。」‥‥‥…なんて言ったことがないから。断ったことなんかないから。大パニックだ‼‼‼

今日今の現状、金、土曜日に一名ずつ 空きはそれしかない。初めての忙しさに驚き、慌て、喜んでいる。活気に溢れ、大きな笑い声に包まれている。そして、断るのが苦手な私たちは、利用してもらえないことを、お役に立てないことを、悔んで、断るのがへたっぴ過ぎて、申し訳なさ過ぎて、もうどうしていいのか!の「危機!」なんだよ。

朝から到着した人をお風呂に誘い、出来立てあったかご飯を共に食し、体操や頭柔らかゲームをしたり手工芸や歌や各自が好きだろう情報から得られることを試して笑わせて、ほっこり幸せな気持ちにして送っていく。デイサービスの入口の多くは、家族の介護疲れとかお昼間の中間独居を安全に過ごすために「連れてこられた」爺婆様たちだ。だから決して最初は来たくて来たわけじゃない。どっちかと言うとイヤイヤ仕方なく来てる。入口はそれでもいい。そのイヤイヤから始まったデイで楽しそうにコロコロ笑う利用者を見て、デイは意味のある場所だと実感する。「BE HAPPY BE SMILE」と言う理念を掲げて 幸せに‼笑ってて!って場所になっていく。

めいの家のデイサービスには“コレ‼‼‼‼”っていう特技はない。珍しいことをしてるわけじゃないし、見たことない器具があるわけでもない。丁寧な敬語も使えないし、優しさに溢れる職員が揃ってもない。一緒にテレビ見て、大きい声で笑う。一緒にご飯食べて、大きい声で笑う。不安なことを聴きながら、大きな笑いに変える。手をつないでトイレに行きながら、笑い話をする。とにかく何でもかんでも大笑いのネタにする。全部笑って、全部楽しい思い出に塗り替える。それだけ。

『一日一笑』デイの北向彩子のライフ・テーマだ。笑うしかない。楽しいことしかない。彼女の神髄。

コロナの前、グループホームの方のご家族が面会に来られて「一階のデイサービスに通いたい」と言われた。グループホームにいるのに❓❓って聞いたら「面会に来るたび、大きな笑い声が聞こえてきて、楽しそうで、本当に楽しそうで、だからうちの妹もあの笑い声の中にご一緒させてください。」と言われた。こんな誉め言葉があるだろか?めいの家のデイには「なんかある」んだよ、魔法ね。

嬉しい悲鳴をお伝えしたかった‥。やっとめいの家のデイサービスが笑顔の独り立ちをする時が来たこと一緒に喜んでほしくてね!

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