急逝

突然のお別れだった。
ある日の夕方、呼吸が変わった。
こんなことはめったにないって言うか 初めてのことだが、たまたま往診医がいてくれた時間だった。
ただ‥‥何が起こっているかは想像できた。良くない呼吸、早く救急車を‼‼
でもどうして?!?

彼女は風邪を引いていて、熱があってね、一週間くらい前の話。
だからお部屋でご飯食べていて、覗いては楽しい話をしていた。
ちょっと飲み込みがしんどそうだからって固いもん食べんのやめて‥それを今日から戻しますね、もう元気になってるから大丈夫って往診医に伝える日だった。元気になったね、良かったねって朝話したよね‥。
元気だよーってピースサインと笑顔を返してくれたよね‥。誰のことも責めてなんかない。ただ思い出している。不思議な気持ちで‥。

誰に対してもとっても優しい人だった。丁寧で上品なかわいい人だった。いつも笑っていて控えめだけど芯のあるみんなに愛される‥なんせ性格の良い素敵な人だった。元気になると思っていたし信じて疑わなかった。

歳を取ると、それだけで明日はどう?わからない。一時間後がどう?かもわからない。何が起こるかわからないから今日を一番大事に生きなきゃいけない。「今日できることを明日に伸ばすな」「明日死んでもいいと思える今日を作れ」とあれほど言ってきたのに、明日に伸ばしたつもりなどないのに後悔してる。何かできることあったんちゃうかなぁ‥‥。気付けることあったんかなぁ‥。明日死んでもいいと思える今日なんか‥ないよ。「大丈夫よ~」って優しい声と手の甲をさすってくれる温かさが蘇る。

うなだれた背筋をしゃんと伸ばして‥深呼吸。笑ってる写真を見ながらね、彼女はきっと笑ってる。大好きなご家族に囲まれて笑ってる。そう、きっとね。

幸せな優しい時間をありがとうございました。感謝。

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