12年目のお別れ
彼女は90歳を過ぎてやって来た。
来た日に転んで、次の日も転んだ。
始まりからひやひやの連続でこんなに長い付き合いになるとは到底思ってはいなかった。
あと数日で104歳だったんだ。
客船の船長さんの妻で、息子が三人、家事は母に任せて自分は「買い物担当」とデパートなんかをひらひらきれいなワンピースでお出かけ三昧の日々だったようだ。ご主人は一度航海に出たら長く戻らなかったようで自由気ままな生活をしていた様子がうかがえた。
気が強く、自分勝手で自由な生き方を貫いた。
ま、100歳を越える人はみんなそう。自由気ままで人の言う事なんかまったく聞かん。奔放な我が道行くタイプしか100歳は超えん。人のことなんかどうでもいい。まずは自分が大事でね‥‥素敵な生き方‼‼
好きな物しか食べず、嫌いな物を前に置かれたらあからさまに嫌な顔をして、作ってくれた人にでさえ「嫌い」と苦い顔をするし、嫌いな人には こぶしを振り上げる。いやいやいやいや…ホントだから。私は12年間天敵で、嫌われてたんだけど ちょっと話しかけたらお兄さん指をちょっと上げてね こんな感じ。

これってもうやっつけてやろうって思ってない?笑 コレで殴ってきますからね。ファンキーな100歳でした。生クリームやあんこが大好きで一日に5.6個どら焼きを食べるわけ。ロールケーキやシュークリームやお饅頭なんかを代わるがわる食べてて、彼女はご飯の時間がなかったね。好きな時に起きて食べて、また寝て、私と喧嘩して、大好きな職員と手を繋いで語り合って。
2月2日、夜中に眠ったままの大往生で。安らかすぎてまた起きるかもって思っちゃうくらい。
自由に生きた103歳に向けて「おつかれさま、またね」笑顔になる。涙じゃないね。

去年の103歳のお誕生日。またね、しんこさん!ご主人や息子さんたちに会えたかな。
わたしたちはあなたにあえてたのしかったよ、ありがとう💕

