認知症って‥?介護本編
認知症について、エッセイから体験談、専門職が書いた教科書までたくさんの本が出ている。認知症題材の小説「恍惚の人」から現代はマンガ本までこれもいっぱいある。二十数年前、介護の世界に足を踏み入れた私はいろんな本を読みあさった時期がある。たぶん、自分のやっていること、考え方?は正しいのだろうかって答えが欲しかったんだと思う。何をやっても何を言っても、周りの皆に!嫌われ時期があった。{あにゃ?今もかな?}毎月1日、1の付く日のお買い得日にスーパーに行きたいんだと言うばあちゃんたちを連れて行こうとして、「3人行ったら2人殺すよ」と言われたことがある。意味わかる?人込みの慣れないとこ連れてって、興奮させて、お金使わせて、引きずって歩かせてなにが楽しいんだ!?と特養の施設長さんに言われた。ばあちゃんたちの行きたい理由は「この広告見てごらん。安いのよ、ほら!欲しいものにはね、○したんだけどね。ほんとは行きたいの。だめ?行ったらもっといいもの買えるかもしれないでしょう。込み合ってるスーパーって久しぶりだわ。いいえ、お買い物なんか長いことしてないから行きたいの。自分で手に取って買い物したいのよ。」ってね。普通の事、言ってます。買い物行ったくらいで死ぬわけないやん‼‼って腹が立った。いや、万が一死んでも買い物行ったからじゃないやんか。まぁ、私は就業規定の【解雇】のページを見せられながら「普通の人と同じようにできないのか」とため息をつかれていたのでした。海水浴行くとか、富士山に登るとか、北海道の娘に会いに行くとか、そうだなぁ夫婦で旅行したいとか。淀川の花火も見に行きたいし、大阪城ホールでライブも見たい。ばあちゃんたちは普通のことを言っていても歳とって施設に入ると、普通のことが普通ではなくなって、ちょっとそこのスーパーに行ったら「○○さん、幸せやねぇ、お買い物に連れて来てもらって、ええ所入ったねぇ。」とご近所さんに言われたりする。あなたも今来てるスーパー!これ普通やからね‥ってことが本当に普通なのか知りたくていろんな本を読んだ。それこそ、うんこ投げたり、入れ歯股間に隠したり、杖で殴ったり、噛みついたり‥でもそれって何かの不安と闘っているわけで。ずーっとずーっと不安と闘っているわけじゃなくて、とっても穏やかな楽しい時間もあって、でもだからってそれで終わりじゃなくてその毎日は続いていくわけで。もっと認知症が進むか、もっと歳を取って体力がなくなるか、じゃないと救われないどうしていいか分からない終わりの見えない闘いもある。だから施設やデイやヘルパーがいるわけで、私たちの仕事がビジネスとして成立するわけでしょ。けど、それだけじゃない。普通にできる事だっていっぱいあるんだからそれが何でダメなんかわからずにいた。そして、介護のいろんな本に救われた。これでいいんだって、私は間違ってないって、ね。でもその介護の本のほとんどは、当たり前の普通がもっともな事のように書いてある。それくらい「施設」って異質な場所だったんだよね。どこにでも好きに行って美味しいもの食べて寝たいときに寝て認め合って生きる。それが「普通」ではない時代だったかなぁ。
「そんなことできるぅ?無理無理~」より とりあえず「やる」。やってみてから考える。まず、介護本は読んではみるけど私は私の信念のもと、家族と一緒にじいちゃんばあちゃんの好奇心を応援するだけで。どこの施設よりもわがままで言いたい事言ってやりたい事が溢れてやんちゃ言えるめいの家でいたいと思うの。ずっと喧嘩してたい。一人じゃ絶対できないもんね。その私の願いは、皆のおかげで叶いつつありますっ‼