神の手 獣医師 進学之先生

確かに。獣医師は高齢者施設には関係ない。でも、めいの家には、私には, 大きな力をくださった。                    だから、動物のお医者さんも人のお医者さんも信頼できる人に出会うことを諦めないでいないといけない。         あきらめちゃいけない事知っていただきたいと思って書いてる。
出会いは11年前。生後7か月、我が家の白犬ももじくんが脳症を起こした。ある日突然よだれがだくだく出て目が宙を舞い牙をむき、ただ走り回った。緊急夜間病院で「先天性の大動脈門脈シャントだと思う。早く獣医と相談を。命にかかわりますよ、もちろん。」と言われびっくりして震えたことから始まる。
皆さんはご存じかな?東京には獣医の大学病院が多くあるけど大阪にはないこと。大阪には獣医さんたちが力を注いで作った「ネオベッツVRセンター」という高度医療の病院が一つだけある。ももじをどうにか助けてほしいと東京の大学病院を検索し電話かけまくった時の事。電話口の獣医師が「大阪のネオベッツVRセンターに進先生という医師がいる。訪ねなさい。一刻も早く!」と教えてくださった。「進先生を訪ねなさい」‥その言葉だけを頼ってVRセンターに。ももじの検査を終えて私たちは診察室に入った。目の前には、獣医師:進学之 と書かれた名札を付けた先生がいて。なぜか、その瞬間にももじは助かったって思ってね、ぽろぽろ涙があふれた。まだ、手術もしてないのに、説明すら聞いてないのに。笑 そして、CTやレントゲンを見ながら先生が説明を始めた時、バックヤードで一匹の犬が鳴いた。進先生は「ももじ!」と言い、走って行っちゃった。麻酔から覚めたももじが鳴いた、その鳴き声でさっき検査で出会ったばかりのももじがわかったの?先生。

お腹には大きな大きな頑張った証、縦一本の傷が残ったけど、ももじは生きた。

左:ももじ 右:かんた

そして、月日は流れ‥高度医療のお世話になることもなく ももじもめいの家のかんたも仲良く暮らしていた。                  かんたは肉球が弱くてガサガサになって、ももじはある日突然顎の下から出血した。ふたりは6歳離れてるけど、一緒に病院通いが始まってね。一向に良くならんまま、ある日の事。通っていた病院の院長先生から「かんたくんは肉球がボロボロで化膿して酷い状態が続いてるから関節から下切断、ももじくんはあごの骨が腐っているから下あごを切除します」「ちょっとビジュアル悪いけど流動食なら食べられるから大丈夫。足は三本でも歩けるしね。」と顎と足を切り落とす気満々で告知された。悲しいし辛いし、でも生きるほうを選択するのか?赤ちゃんの頃に進先生に助けてもらった命・・・・・ん?!進先生‼‼‼‼  って慌ててVRセンターに電話したら、進先生は辞めておられた。ものすごい落胆した声を出したんだろうなぁ、私。電話口の方は、進先生の後輩獣医師で「開業されてます。是非会いに行ってください」って教えてくれた。探し当てた《しん動物病院》に電話。電話から聞こえる先生の声は、あの頃のまま。そして「覚えてるよ」の一言に私はまたボロボロ泣いた。ももじはニキビダニという顔の皮膚に寄生するダニが原因だったし、かんたの肉球は、ペロッと皮一枚めくって下さってきれいな肉球生えて来て、足を切ることも顎をなくすこともなく‥終わった。「あんなに泣くから!どんなことになってるのかと思ったよ」と言ってチャッチャッと処置して。その日からかんたもももじも亡くなるまで進先生にお世話になった。ももじは最期、進先生に看取られ逝った。私は、進先生に診てもらってダメなら諦められる。進先生が足切断って言ったらそうする。全霊で信頼している。進先生以上はない。そう思える獣医師に出会えたことだけで、怖いものは無くなった。病気になってもケガをしても犬や猫は痛いと、辛いと、発信はしないでとことん我慢する。そういう生き物なんだね。痛がったりへこんだり、辛くて鳴いたりしたら敵にやられちゃう、野生の頃の性質。辛いのにがんばっておしっぽ振ったりするからね。その痛みや辛さを察知するのは飼い主にしかできない事なのだろうね。もし進先生がいなかったら、かんたは三本足でももじは顎のない流動食しか食べられない子になっていた可能性だってある。人間だって、犬だって猫だって、生きるもの全てに、信頼できる医師の存在は何物にも代えがたいという事を 今日は伝えたかった。

そして、私たちは体調の変化も、心の変化も、日々の移り変わりの中での「いつもとちがう!」を見逃さない人でいないといけない。医師にバトンを渡す、それが人もすべての生きるものへの敬意なんだと思うから。

ももじの最期、CTを取りに行ったVRセンターの医師は「進先生は何とかしようと頑張る人。進先生は諦めない人だから。」と言った。CTを見た進先生は「明日、手術しようね。ももじは最期まで僕に診させて。」って何も決められない私たちを想い、ももじを想い そう決めてくれた。家族や本人が決めるべきだ、という考え方ももちろん正しい。そうだけど、どうしていいかわからないまま何もできない私たちはただ先生の言葉を待っていた。明日手術しよう、と先生が決めてくれて私たち家族は皆頷いた。先生に全部を預けた。進先生は私たち家族も全部全部受け取ってくれた。感謝以外ない。これまでも今もこれからも。

私は、医療人ではないけれど 家族もご本人も皆さんの気持の支えになれる介護士でいる。ここ、めいの家にいたいと言ってもらえるように、あんたに会えてよかったって言ってもらえるように。目標は進学之先生。高い山だよー‼‼‼

神の手 獣医師 進学之先生”へ2件のコメント

  1. 中島圭子 より:

    「しん動物病院」さっそくHPを訪問しました。「患者さんとその家族・・・」という院長先生のご挨拶の始まりで、このブログのタイトルがさらに魅力的に輝きました。うちの4歳になる〈息子〉お世話になることがない方がいいのでしょうが、このお名前は完全保存です。「めいの家」が引き寄せた「進先生」ですね。ありがとうございます。

    1. meino-ouchi より:

      ありがとうございます。信頼できる先生がいる‥それだけで勇敢になれるし、覚悟もできるでしょう。4歳の息子ちゃん、何かあった時には是非、進先生を思い出してください。強くなれます!!いつも読んでくださってありがとうございます。

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