会いに来て。
5月8日、新型コロナ感染症が五類となり 面会の制限がなくなる。コロナの時のように電話で面会予約したり、テレビ電話でお話したり・・もうしなくていい。
好きな時に好きなように来てもらっていい。鍵をかけていた玄関も解錠する。いつでも誰でもいつでも入ってこられるめいの家に戻る。三年間もこの調子で来たもんだから、解錠するのも、好きに入って来られるのも、実はものすごく抵抗がある、ほんとはね。怖いし、不安いっぱい。またクラスターが出たら・・とかコロナで命の危険が・・とか そんなことばかりの三年が尾を引いている。
今日、8日の面会制限解除を勘違いして遠くから来られたご家族がいる。満面の笑顔で「ひさしぶりですー」と言われ、お姉さまへの大きなお土産を手にしておられた。まだなんです・・と追い返すことなどできないよ。ちょっと早いけど、「三年ぶりにお部屋に入られるのは一人目‼‼です。ごゆっくりどうぞ。」とお部屋に案内した。とにかくものすごく嬉しそうに飛び跳ねるようにお部屋に入って行かれ、部屋の中からは笑い声があふれた。持ってこられたおやつを二人で食べながら若い姉妹のようにずっとずっと笑っておられた。部屋の外でその声を聴きながら、3年前を思い出していた。こんな日々が当たり前だったこと、家族に会うことが制限されるなんて思ってもなかった日々は、それだけで幸せだったんだと今は知ることができる。この「当たり前」が本当に普通のことになりますように。
帰り際に 「今が一番幸せやって本人も私もそう思てるからね」って手を握ってくださった。泣く!この瞬間は本当に本当に介護士冥利に尽きる。言葉では言い表せないうれしい言葉だ。
コロナが教えてくれたこと…普通なんてないってこと。いつも当たり前にしていることは、当たり前なんかじゃない。普通のことだって普通じゃない。今日 元気でいることも、歩いていることも、お腹一杯ご飯が食べられることも、あなたに話しかけていることも、明日必ずできる事じゃない。大好きな人に会えなくなることだって普通に起こる。…ってことを教えてもらった。だから、今日を大事にしないと。目の前の人にできることしないと。どんなことも 今日を諦めたらいけない。ね、とっても大事なことをコロナは教えてくれました。
ご家族の皆さん、めいの家に 会いに来て‼‼‼‼ ね。