一緒に暮らせば・・・。

この一週間ほど、すったもんだあって・・毎日のようにコロちゃんの飼い主のじいさんが来て、アロエ食べさせてほしいとか、チキン湯がいて食べてるとか、食べてるおやつもって来たり、どんどん今日のコロちゃんが来る日に向かって動いていた。「寂しくなるね」「辛いよね」「元気出して」「気持ちわかるよ」なんて絶対に言わないで来た。気持ちわかったら余計に辛くなる。気持ちわかったってどうにもならない。どうにもならない事を慰めたらもっと辛くなるから。心の中でご夫婦に「がんばれ!」って言って平気に笑って話を聞いて来た。
ところが・・だ。
昨日くらいから風向きが変わって来た。「なんで連れて行かなあかんねん」「まだ渡すなんて言ってない」「話が違う」「犬飼ってるやつはまだまだおるやないか」などと言い出した。そう言ったり、「もうちょっとだけ一緒にいさせて。もうちょっと延ばしてほしいねん」と言ったり。そして今日・・・。                                      じいさんとばあさんとコロちゃんはやって来た。「連れてきたけど、置いて帰らん。今日は謝りに来た。」と言って帽子を取って頭を下げた。ばあさんも涙ぐんで私の手を握った。「もうすぐ連れてこなあかん。わかってんねん。わかってんねん。世話になるのは時間の問題や。わかってんねん」と言って<ばかうけ>っていう美味しいおかきをくれた。一緒に暮らして6年、家族。息子のようなもんで何より大切。誰よりかわいい、愛おしい。手放す事なんかできないのだ。一日一日をコロちゃんと生きて、コロちゃんを優先して暮らしてきた。そんなことは言われなくったってわかっていた。でも、飼ってはいけないアパートで飼っていることに「いつかこんな日が来る」と思っていたとも言う。めいの家に連れて行く約束の日が迫るにしたがって悲しさや辛さが襲って来たんだよね。ここだけの話・・わかるぅ・・。ってことでコロちゃんを迎えるのは、まだちょっとだけ先延ばしになった。私は今日、『いつ連れてくるの?』とは一度も聞かなかった。次来るときは二人の意志で、本当に覚悟してくる時ということだから。コロちゃんは分かっているような顔をして婆さんの膝の上から私を見つめていた。

我が家には三匹のわんこがいる。四歳になる真ん中のウエストランドホワイトテリアのくりぞうくん、左は娘の子マルチーズとプードルのMIX犬まつこちゃん四歳、でっかいのがゴールデンレトリバーとサモエドのMIX犬ふう太くん二歳。

もし私が何らかのどうしようもない事情でうちの子たちを手放すことになったら・・さてさて・・そんな事情も何もかも私には想像できない。したくもない!!身を切られるような‥という言葉がぴったりだ。だからね、このご夫婦の気持ちはよくよくわかっちゃうの。わかっちゃうけどね、どうしようもない事はある日突然起こったりしない。どうしようもなくなるまでに何かしらほったらかしていたことがあるはずだったり、後回しにして知らん顔していたり、見ないふりしていたり、面倒な、自分に不利益な事から逃げているだけだってことがかなり多い。でも90歳になるじいさんばあさんにそんなこと言ったって通じないよ。通じなくても、何もかもなかったことにはならない・・だって犬飼ったらいけないアパートって二人ともわかってるんだもん。・・・あーーー何言ってんのかわからんくなってきた!

とにかくさ、どこかで折り合い付けて、コロちゃんの幸せ考えて一日も早く覚悟できて、そして二人で労わり合って生きていけるよう願い祈るだけです。私はお二人を信じて待ちます。今できること それしかない。