壊死

今年の二月、なんだか足の指先の色が悪くて‥痛いって言って歩かないしちょっと専門のお医者さんに見てもらってょうがいいんじゃないかってね。大好きな甥っ子さんと病院へ。

結果、足の付け根かから下の血流がほとんど遮断されているらしい。指先に傷があったからそこから腐り始めた。普通はカテーテルを通して血流を再開させるか、血の流れていない所を切断するか…カテーテルを通すにはあまりに大掛かりなほど血の流れが滞っていたし、切断するには高齢過ぎた。「このままで命尽きるまで見てもらえるか」と聞かれたので、壊死していく足をどうすればいいかなんて誰にも分らないままお受けした。指から足の裏に、足の甲に、ふくらはぎに、どんどん真っ黒の炭みたいに そしてかちんかちんになっていく足をみんな毎日毎日清潔にと洗って薬を塗ってルーズソックスを買ってみたり、トレーナ^の袖を切って履いてみたり、万策尽きるまで考えたし全部試した。彼女は「痛い時もあるけど頑張ります!」「一緒にご飯食べて行かれますか?」…いつもどうりだ。それがまた辛い。

いつまで、どこまで壊死が進むかなんて、どこまで生きられるかなんて、誰にもわからんかった。私が入院中、バナナしか食べんようになった‥水を飲まない‥などそろそろ起きてるのもしんどくなってきていた。それでも、毎日毎日真っ黒になった足を洗い続けた職員に頭が下がる。

その彼女が旅立った。いつもの寝顔よりかわいい顔で。寝付くこともなくほんの数日横になっていただけで 穏やかな旅立ちだった。

行事やお祭りを誰よりも楽しんでなんでもおいしいって食べてくれて 弟さんを愛して止まない 独身を貫いた彼女に、私は会えずじまいだった。「またね。」って葬儀会館の前でつぶやいた。

痛い苦しい辛い‥少しでも楽になれる方法があるんなら、って今も思う。もっとしてあげられたことあったんちゃうかなって、ね。

一緒に過ごした三年間を、ありがとうございました。またね‼‼‼‼‼

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