♪今出会いの時♬2:奇跡派遣

私は派遣は嫌いだ。笑 同じことをまた言ってる。笑
冬のこと。デイのドライバーさんがお休みの日に心臓の小さな発作を起こした。仕事の日じゃなくてよかった、人を乗せていたら‥とおっしゃってね。そりゃあもう養生してちょうだいってその日のうちに退職されて、ドライバーは蒔野ひとりになった。でも病気だから、蒔野が休めないとかデイが大変とか、そんなことは2番目だった。そして、蒔野はデイの休みの日曜以外休めなくなり、なんなら早出から遅出までを担った。これを長い間続けるわけにもいかんじゃないかってまたもや「困り果てた時の派遣、ちょっとだけね」タイムに突入。世の中派遣会社は数えきれないほどあってさ、1日に必ず1件以上は電話がかかってくる。大前提は、人員不足だと決めてかかってくること。聞かないんだわ、今職員募集していますか?とか絶対聞かない。そして、う~んと高い派遣金額を提示してくる。足元見てる!車運転できるし吹田の地図詳しいし介護福祉士だし即戦力なるよって‥もうさ、今困ってるからさ、今車乗ってほしいからさ、面接したわけ。23歳のういーっすって感じの若者君が来た。介護士3年続けて介護福祉士を取得、これから警官になるべく勉強している途上とのこと。今の窮地を救ってくれるか!と明日から来てッてお願いしたら、よく気が付くしフットワーク軽いし、何より楽しそうによく笑う!よかったこと!そして、蒔野の長男がコロナ陽性になり、蒔野が自宅待機になった時、彼は一人で送迎がんばった。朝早くから最終晩ごはん食べて帰る人まで笑顔で送り、デイルームに掃除機までかけて帰ってった。毎日、毎日、蒔野の隔離が明けるまでずっとだ。ぴいも乗ったし、アンパンマン女神も乗ってくれて‥何もしないで何とかなることなんかないけど、何とかしようともがいたらどうにもならない事なんかないって実証した。皆で一緒にパズルみたいに毎日を組み立てて、ピースを見つけてはめ込んで、それが妙に楽しくて、しんどいとか辛いとか全くなかった。お気に入りのキャバ嬢の話や警察学校の話、付き合ってた彼女の話や下ネタを赤裸々に語りデイのばあちゃんたちに愛された彼は、警察官試験を1か月後に控え勉強とトレーニングを優先することにして退職した。

叩いて被ってジャンケンポンで優勝しました!

そして、そして、一次試験は終り彼も帰って来た。「キャバクラ編ネタはまだまだあります!めいの家がすきなので!」と警察官最終試験に合格するまで働いてくれるらしい。登録者を働かせて賃金差っ引いて成り立ってる派遣会社嫌いやし、派遣でいいかなって時間から時間までとりあえずってな働き方の登録者も嫌い(偏見やね)‥まだ嫌いやけど。「人」は嫌いにはならんね。むしろこの二人のおかげで派遣偏見ゆるなったかな。いいひとはいい。派遣でも職員でも関係ないか…って思える出会いだったことは絶対間違いない。

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