慈しみ深き

９月１０日二階に入所されている「先生」とみんなに呼ばれる９０歳の女性のお孫ちゃんが大阪城の中の結婚式場で式を挙げた。ちいさいころ、おばあちゃんに優しくしてもらって、思い出いっぱいあって、とにかくおばあちゃんに来てほしい！！ウエディングドレス姿見てほしい！ってね。じゃあ行きましょうかって　私たちの珍道中が始まった。「先生」は記憶が３秒くらいしか持たない。「どこいくの？。」１，２，３。「どこいくんだっけ？」１，２，３。「今からどこ行くの？」・・・。結婚式だよ。「誰の？」１，２，３。「誰が結婚するの？」１，２，３。「どこいくの？」１，２，３。まあそんな感じで全く話は展開を見せず、同じ話を高速回転寿司みたいにぐるぐる回り続けて、それでも楽しくてげらげら笑いながら大阪城へ！いざ！！駐車場から式場まで普通に歩いて１５分。９０歳が歩くと３０分かなあ。ゆっくり行こう！

歩く！坂も階段も頑張る！

とにかく歩いて歩いて…

誰の結婚式？ここどこ？…ってな質問を繰り返しつつ厳正なるキリスト教の式に出席し、バブルシャワーなるシャボン玉の祝福を体験し、お孫ちゃんと一緒にたくさん写真を撮って、「お先に！」と元気に披露宴会場を後にしたが。「お土産買おうよ。」といたずらっ子みたいに笑うので。

でね、またまたあの距離を歩くのは辛すぎる！と見つけた大阪城を周遊するエレクトリックカー❣

施設でも、デイでも、在宅でも、どこにいても何をしていても　誰といても　世の中は楽しいことに満ちている。生きていれば、いいことやワクワクは絶対にやってくる。腹抱えて笑う日は絶対にある。言いたいこと言って、やりたいことやって、行きたいとこ行って、食べたいもん食べて、我慢しないで生きてほしいし、私もそうしようって思った一日だった。

実は帰りに、ファミリーレストランで、三人でパンケーキとプリンパフェをぺろりと食べて帰ってきたのでした。みんなには内緒に決まってんじゃん‼‼‼‼

そして、部屋に帰って着替えた先生に「疲れた？」ってたばっちゃんが聞いたら　「ん？なんで？私どこにも行ってないわ。今まで部屋で書き物してたのよ。どしたんよ。」と笑ってコーヒーをくゆらせていた。私たちはまだ口の中がプリンで甘々でね、でも、疲れはぶっ飛んだよ。

ありがとう、先生。先生の付き添いめちゃくちゃ楽しかったよ。ありがとう！