元旦の看取り

12日前に倒れた。そして元旦に逝った。
心臓悪くてね、ここに来た6年前にはもう「いつ止まってもおかしくない心臓の雑音と不整脈」といろんな先生に言われてきた人だ。それに、毎月2,3回は意識を失い 甦るってことを繰り返していたから、この年末も戻ってくるってみんな思ってたんだ。思ってたのに…。
ほんとに憎たらしい人で、わがままで勝手で自分のことしか考えず、嫌いな人や新しい職員にわかりやすい意地悪や無視をして、殴るし蹴るし大声出すし引っ掻くしドアバーンって閉めるし‥‥悪口なら100個ぐらいすぐ言える。
だけど。好きだった。話せないんだけどゼスチャーと筆談で難しい話もできた。司馬遼太郎さんと中国が好きでよく小説と歴史の話をしてくれた。犬のかんたが大好きでどんなに怒っていてもかんたの顔を見ると「うーんうーん」と高い可愛い声で手招きして撫でていた。自我が強く嫌なもんは嫌、好きなもんはとことん好き‥抱きしめると抱きしめ返してくれるやさしいとこもちょっとある。ちょっとあるからさ、そのちょっとがものすごく映える。嬉しくなる。そしてまた意地悪なことや酷いことをして職員のみんなを怒らせる。フロアのみんなをビビらせる。その繰り返しの6年だった。めいの家の一つの時代が終わったと思えるくらいの大物だ‼!

3日13時半。めいの家に彼女が帰ってきた。火葬場でお別れする前に会わせてくれるって初めてのこと。一月三日だから、開いてる花屋を探し回ってお花いっぱい買ってきた。最後にみんなでやんちゃな彼女を囲んだ。真っ白のきれいな顔でいつもより寝相よく横になっていた。もう叩かれないし、喧嘩することもない。泡だらけでお風呂から飛び出してもいかないし、エレベーターを止めたりもしない…んだなぁ。寂しい。

真っ白な皴もない彼女のお顔の周りは色とりどりのお花畑みたいで、大好きなお母様の猫柄のシャツを着て大好きなわんこのぬいぐるみと一緒に気楽な世界に行ったのでしょう。「またね。」と声をかけほっぺたを撫でてお別れです。

「元旦だよ…」ってつっこんじゃったよ…。笑  合掌。さよなら またね。

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