無自覚な悪意

何事もそうだけど、自覚がなくやってるのが一番困る。
悪意があってくれたら正すこともできるけど、悪気ないと正しいこともわからんからね。誰かが困っていても泣いていても「なんでなん?]ってなるわけよ。
認知症の症状にはそういう「無自覚な悪意」が大いに存在する。
そしてその悪意を受けた方は気にもしないのかと思いきや‥普通に傷ついちゃう。もちろん悲しいし辛い。泣くことだっていっぱいある。でも相手を傷つける気持ちは「なんで?]ってなんだよね。
思いやる事‥が苦手になるんだと思うなぁ。毎日毎日、小さな悪意の諍いが起こる。正論では戦えないからさ‥
どうする?!?

今、みんなの中でジグソーパズルが流行ってる。すごい勢いで流行ってすぐいやんなるんだろうって思ってたらそれが全然飽きないんだわ。でね、もうピースだけ見たらサッササッサはめていける人と、何回やっても初めてなのって人がいるのよね。その初めてなのって人はやっぱりあんまり上達はしないけどそれでもなんか楽しんでるからいい感じなんよね。その人がほかの人の落としたピースを拾って「落ちたよ」「あーありがとさん」…ここまではよかった。ここで終わったらよかった…。「わかるの?できる?教えてあげようか?!」と言っちゃった。言われた方はきょとんとしてそれからムッとして「あんたみたいなへたくそに教えてもらわんでもできるわ。自分のんもできてないやないの。」と言い返した。せっかくピースを拾ってあげたのに…泣かされちゃった。

認知症は残酷なとこある。自覚ないけど、自覚ないから かな・・悪気もない。そして忘れる。だからまた仲良くできるんだけど、何とも見ていて切ない。こういう時に職員が中に割って入って取りなしてよかったことなんか一回たりともない。話を大きくしてはいけないんだ。そっと見守ってコーヒーなんぞ入れて呼びに行くのがいい。美味しいお菓子なんかあるともっといい。「子供の喧嘩に親出るな」のイメージですわ。

今日も無自覚な悪意の闘いは続くが、どこ吹く風の空耳アワーで知らん顔を決め込んでいる私は…美味しいコーヒーを入れます‼‼‼

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