顎で使え!

ここに、結構キャリアを積んで、外国にも通訳として呼ばれたり、大きな商社でエリートしてきた爺様がいる。
お家にいる奥さんは足腰が悪くちょっと一人では動けない。動けないストレスもあって旦那を顎で使う。そして、預貯金も年金も全部握っている。
ヒステリックに怒鳴り怒って、旦那が介護サービスを使おうとすると阻止する‥‥なぜかというと、自分のことをしてくれる人を手元に置いておきたいから、だそうだ。結婚した時からお家のお金は奥さんが管理、きっと貯金も奥さんが頑張ったんだろうけどなぁ。でも、爺さんは毎日「地獄」だと言う。お金もない、家にいてもずっと怒鳴られて‥‥、、ところが数か月前からちょっとずつ‥ちょっとずつ‥爺さんは忘れっぽくなってきた。奥さんに頼まれた買い物を忘れ、お金を払うのを忘れ、帰り道を忘れた。でも、そんなこと、病気やなんて奥さんが思うはずもなかった。怒鳴り蔑み、嫌味の限りをぶつけた‥そしたらね、爺さん我慢の限界を超えて叩いちゃったんだってさ。奥さんはしっかりさんやからそれをケアマネージャーに話して‥話は大ごとになった。そう!ネグレクト。じいさんの暴力、虐待‼‼。理由や原因じゃないのよ。起こったこと。叩いたっていう事実。それだけさ。

奥さんの人となりを知らないから 悪口も非難もできん。でも、爺さんが言う結婚した時からヒステリーで、よう怒っとったわ‥はホントな気がするし「何であんなきつい女と結婚したんやろ、結婚したんが間違いやったわ。」と何度も独り言のように繰り返して言ってね、その後「かわいそうやろ、それでもひとりはかわいそうや」と深い愛を感じる。が、このままでは負のオーラ。同じことが繰り返される。忘れてまた叩くかも‥だって80年近く気の強い奥さんは変わることはない。

そして、生活の形を変えないといけない時が来る。今のまま一緒に暮らしていくことはできなくなる時が来る、その時が来た‥ようだ。認知症は悲しい。辛い現実を連れてくる。そんなご家族を数えきれないくらいたくさん見てきたが、辛い現実を通り過ぎると‥違う関係性が生まれてさわやかな明日がやってくる‥コレ本当だから。ちょっと離れた関係は新しい愛を生む、育む。だからなにも諦めなくていいし、泣いて悲しむこともない。そのために私たちがいる。私達福祉の関係者がいる。私達を顎で使えばいい。

いくつになっても新しい人生は切り開かれる。あなたの想い一つ。あなたの願い一つ。あなた次第。

どんな楽しいことがあった春も、辛くて泣きたい春も、頑張った春も、一人で過ごした春も、家族が増えた春も、誰かを見送った春も、仕事に明け暮れた春も、就活に疲れた春も、どんな春にも桜は咲くでしょ。そう、桜は咲くのよ。

みなさんの良き春を祈っています。

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